約束
「行きましょうか」
彼は不思議そうな顔をして、私の言葉に返事をしていた。
教室を出る。そこから先は生きた心地がしなかった。彼が私の傍を歩いていて、顔をあげるといつも遠くから見ていた彼がいる。
夢を見ているような気分だった。足元はスポンジの上を歩いているようにふわふわし、頭は直射日光を何時間も浴びたようにぼーっとし、まともになにか考えることもできなかった。
同じタイプの靴箱の並んでいる昇降口まで行くと、彼と別れる。そして、私の靴箱の前まで行くと、右手を心臓に当てた。心臓の鼓動は短距離走を走ったときのように乱れていた。
何が起こっているんだろう。それが正直な気持ちだった。
姉から電話がかかってきて、木原くんと一緒に帰るように言われて。
お父さんの友達の息子さんというのが木原くんのことで。
答えは分かっているはずなのに混乱してきてしまった。
彼は不思議そうな顔をして、私の言葉に返事をしていた。
教室を出る。そこから先は生きた心地がしなかった。彼が私の傍を歩いていて、顔をあげるといつも遠くから見ていた彼がいる。
夢を見ているような気分だった。足元はスポンジの上を歩いているようにふわふわし、頭は直射日光を何時間も浴びたようにぼーっとし、まともになにか考えることもできなかった。
同じタイプの靴箱の並んでいる昇降口まで行くと、彼と別れる。そして、私の靴箱の前まで行くと、右手を心臓に当てた。心臓の鼓動は短距離走を走ったときのように乱れていた。
何が起こっているんだろう。それが正直な気持ちだった。
姉から電話がかかってきて、木原くんと一緒に帰るように言われて。
お父さんの友達の息子さんというのが木原くんのことで。
答えは分かっているはずなのに混乱してきてしまった。