約束
振り返ると、膝丈のワンピースにピンクのカーディガンを羽織っているお姉ちゃんが立っていた。
「何もないよ」
それだけを言い残すと、木原君を見ずに、真っ先に家に入る。そして階段をかけあがり、自分の部屋に戻った。そう何もないからこんなに傷付いているのだ。
「ばかみたい」
涙が頬を伝うのに、私は笑っていた。それは、よくばりになった私を笑うものだ。
「何もないよ」
それだけを言い残すと、木原君を見ずに、真っ先に家に入る。そして階段をかけあがり、自分の部屋に戻った。そう何もないからこんなに傷付いているのだ。
「ばかみたい」
涙が頬を伝うのに、私は笑っていた。それは、よくばりになった私を笑うものだ。