約束
第七章 初めての週末
木原君と一緒に住むようになって、初めての週末を迎えた。
両親は二人で親戚の家に行くと出かけ、姉はバイトに行っていた。木原君はまだ家に残ってはいるが、両親に会うために、今週末は実家に戻る予定になっていた。
だから今夜は姉と二人になる。夜ごはんのほうは母親がカレーを作ってくれていたので、困ることはない。
木原君は家で引越しの手伝いなどもするのだろうし、他にも家の話なんかもするのかもしれない。そう考えると、少し不安になってくる。彼にとってこの家はどんな感じなのだろう。
木原君は姉とは話が合うのか、良く話をしている場面を見かける。
彼にとってこの家が住みにくくなければ良いが、その真意は彼にしかわからない。
そのとき、リビングの扉がゆっくりと開く。彼は私と目が合うと少し首をかしげ、目を細める。
「明日の夜に戻ってくるよ」
私は彼を玄関先まで見送ると、リビングに戻る。心なしか先ほどよりも家の中はひっそりと静まり返っているような気がした。一人で留守番をすることは珍しくない。
必要以上に寂しさや侘しさを感じていたのは木原君がいなくなってしまったことが大きかったのかもしれない。
彼はどこに住んでいるんだろう。どんな家にどんな部屋に住んでいるんだろう。ふと思いついた考えが徐々に胸の中で大きくなってきた。
「晴実の家でも遊びに行こうかな」
私は自分の両頬を抓る。
好きだと自覚したためか、木原君に対する気持ちが今までよりも重症になっている気がした。毎日見送り、その余韻に浸り、家に帰る。
土日はたまに考えることはあったが、ここまで木原君一色に染まることはあまりなかった。気持ちを紛らわせる必要があると思ったのだ。
両親は二人で親戚の家に行くと出かけ、姉はバイトに行っていた。木原君はまだ家に残ってはいるが、両親に会うために、今週末は実家に戻る予定になっていた。
だから今夜は姉と二人になる。夜ごはんのほうは母親がカレーを作ってくれていたので、困ることはない。
木原君は家で引越しの手伝いなどもするのだろうし、他にも家の話なんかもするのかもしれない。そう考えると、少し不安になってくる。彼にとってこの家はどんな感じなのだろう。
木原君は姉とは話が合うのか、良く話をしている場面を見かける。
彼にとってこの家が住みにくくなければ良いが、その真意は彼にしかわからない。
そのとき、リビングの扉がゆっくりと開く。彼は私と目が合うと少し首をかしげ、目を細める。
「明日の夜に戻ってくるよ」
私は彼を玄関先まで見送ると、リビングに戻る。心なしか先ほどよりも家の中はひっそりと静まり返っているような気がした。一人で留守番をすることは珍しくない。
必要以上に寂しさや侘しさを感じていたのは木原君がいなくなってしまったことが大きかったのかもしれない。
彼はどこに住んでいるんだろう。どんな家にどんな部屋に住んでいるんだろう。ふと思いついた考えが徐々に胸の中で大きくなってきた。
「晴実の家でも遊びに行こうかな」
私は自分の両頬を抓る。
好きだと自覚したためか、木原君に対する気持ちが今までよりも重症になっている気がした。毎日見送り、その余韻に浸り、家に帰る。
土日はたまに考えることはあったが、ここまで木原君一色に染まることはあまりなかった。気持ちを紛らわせる必要があると思ったのだ。