約束
 私は頷いた。彼はそのまま階段をあがり、部屋に戻る。

 私はカレーに火を通すついでに、リビングで時間を費やす事にした。

 少しして木原君らしき人影が廊下を歩いていくのが見えた。

 二人きりだけど、いつもの私達の関係を考えると、そんなに気にすることもないような気がする。

 彼はシャワーを浴びた後、リビングに顔を出す。そして、何かあったら呼んでと言い残すと、自分の部屋に戻っていった。




 私はベッドから起きると、体を伸ばす。休日なのに平日より早く起きてしまった。落ち着かずにとりあえずごはんの準備をすることにした。お味噌汁と、ごはんと、卵焼きと簡単な野菜炒め。それが我が家の朝食だった。これくらいなら私でも作れる。

 木原君が下りてくるのを待っていたが、すっかり味噌汁も冷めてしまい、私はダイニングテーブルにうつぶせになる。

 いつくらいに起きてくるんだろう。

 だが、彼は昨夜も遅くまで起きていた。だから、起こすのは気が引け、おきるのを待っておくことにした。

 八時には起きてくるだろうと思ったが、全く起きてこずに、お腹が鳴りだした。

 木原君と一緒に食べたかったので、九時、十時と時計が時間を刻むのをただ眺めているだけになっていた。
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