約束
訪れた人を案内するなら、この家の六畳ほどの客間に使っている和室だと決まっている。い草の香りがほのかに漂う和室に、お客を案内するのがいつのまにか慣習のようになっていたからだ。
親しい人であればリビングの可能性もあったが、姉の言葉はその二つを打ち消していた。
私の隣の部屋は姉の言ったように空き部屋になっている。物置も別にあることから、物置として活用されることもなく、親戚が遊びに来たときなどに寝泊りに使われる程度だった。
「え? 来月からそこにこの子が住むからに決まっているでしょう?」
さらっと聞こえてきた言葉に、耳を疑った。
一緒に住む?
頭の中で何度もその言葉が繰り返されていた。
「私もさっきお母さんに今朝、聞いて驚いたんだ。お母さんは言うの忘れていたんだってさ」
すらすらと物事を語る姉とは逆に、私は話が理解できないでいた。
木原君を見た。だが、彼は特別驚いたような様子もなく、苦笑いを浮かべていた。
知っていたのかなと思うほど。
親しい人であればリビングの可能性もあったが、姉の言葉はその二つを打ち消していた。
私の隣の部屋は姉の言ったように空き部屋になっている。物置も別にあることから、物置として活用されることもなく、親戚が遊びに来たときなどに寝泊りに使われる程度だった。
「え? 来月からそこにこの子が住むからに決まっているでしょう?」
さらっと聞こえてきた言葉に、耳を疑った。
一緒に住む?
頭の中で何度もその言葉が繰り返されていた。
「私もさっきお母さんに今朝、聞いて驚いたんだ。お母さんは言うの忘れていたんだってさ」
すらすらと物事を語る姉とは逆に、私は話が理解できないでいた。
木原君を見た。だが、彼は特別驚いたような様子もなく、苦笑いを浮かべていた。
知っていたのかなと思うほど。