約束
「原因?」

「一目ぼれだったんだってさ」

 一目ぼれという言葉に胸が痛んだ。私もそうだったからだ。

 百合はあまり顔を褒められるのをよく思っていないようだ。彼女は今でも可愛いというとすごく難しい顔をする。きっとそれで嫌な思いをたくさんしてきたんだろうなって感じるほど。


 だが、帰りがけに見せた彼の笑顔は百合への思いの深さのような気がしたが気のせいだろうか。

 そして、彼がどうして私の名前を知っているのか聞けなかった。
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