約束

 二人が来たのは夕方の四時過ぎだった。木原君のお母さんは薄いベージュのスーツに身を包み、いつもより落ち着いては見える。

 だが、相変わらず綺麗で、彼の母親というよりは年の離れたお姉さんのようだ。

「本当、お世話になってしまって申し訳ありません」

「もうずっと暮らして欲しいくらいです」
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