約束
第十四章 二人きりの留守番
 夏休みになると、受験対策と称する課外授業がある。毎日課題が出て、夏休みという気がしない。昨年は嫌だった課外授業も、今年だけは別格だ。

 木原君と一緒にいられる機会が増えるためだ。

木原君が勉強を教えてくれると言っていたので、彼の部屋に入り浸る時間が増えた。私が部屋に入ることで、彼にもほんの少しだけどメリットはあると思う。

 木原君は気をつかってか、一人のときは冷房を入れようとしないからだ。
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