約束
 夏休みだが、今日から母親と姉が旅行に行き、二人だけになる。夜になるとお父さんが帰ってくるのだけど、それまでは二人きりだった。

 だからと言って意識をすることもないんだけど。

 父親はあまり帰りが早くないので、先に食べていていいと言っていたからだ。時刻は五時を回ったところだ。

 木原君は私をじっと見て、立ち上がる。

「よかったら手伝っていい?」

「手伝うって料理を?」

「できることがあれば。皿洗いとかならできるからさ」
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