約束
 私はリビングに置いてあった電池でつく電灯をテーブルの上に置く。

 テーブル周辺だけほんのりと明るくなり、怪談話でもしているみたいだ。

 怖い話が好きでない私は体を震わせる。

「暗闇苦手?」

「そうでもないけど、早く電気が戻ってほしいね」

 でも、だからこそこうして彼と一緒にいられるのだろうけど。

「昔、敦也の家にいって、停電になったのを思い出したよ」
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