約束
「最近、よく電話がかかってきているね。どうかしたの?」

「たいしたことじゃないよ」

 彼はそういうと溜め息を吐く。

「私にできることなら協力するよ。木原君が悲しそうにしていると心配なんだもん」

 私の口から素直な気持ちが毀れる。

 私に協力できることはほんの無力なことでしかないことも分かっていたが、今の現状は私の心を苦しめるには十分なものだった。
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