約束
 私は彼からティッシュを貰うと涙を拭き取った。

「何か泣いてごめんね」

「そんなことないよ。嬉しかった」

 その時の木原君の笑顔はここ最近私に見せてくれたものだった。

 私は彼が笑顔でいてくれるために、もっと頑張ろうと決めたのだ。


 私はそれから今まで以上に木原君のことばかり考えていた。どうやったら彼が笑ってくれるのか。顔にも出ていたんだと思う。

 補習の最終日に、私の教室に百合が突然やってきて、こう告げた。
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