約束
「向こうでも似たようなものが売っていると思うよ。わざわざ荷物になるのを買わなくても」

「この膝丈がいいんだよ。ぴったりなサイズってなかなかなかったんだよね」

 晴実の言う微妙な違いは私にはいまいち分からなかったが、彼女には拘りがあるようだ。

 彼女はどんな洋服でも着こなせるのは本当にすごいと思う。それを可能にしているのが彼女の容姿に加えて、程良い身長とスタイルの良さだろう。

 ぱっと見て分かるほど、足が長い。

「晴実は何でも似合うよね」

「由佳だって可愛い柄のはめちゃくちゃ似合うじゃない。そのワンピースだってめちゃくちゃ似合ってるよ」

 晴実は笑顔で言葉にする。

 晴実にそう言われるとなんだか照れてしまう。

 晴実は私に似合う洋服を選んでくれたが、手持ちに余裕がなかったので諦めたのだ。

「百合も試着したら良かったのに。絶対似合うと思うよ」
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