約束
 まばゆい光で目を覚ますと、隣で寝ていたはずの二人の姿はなかった。洋服に着替えると、隣の部屋に行く。そこには笑顔で会話をする百合と晴実の姿があった。

 百合は私と目が合うと、朝食の準備をしてくれた。その彼女に昨日の面影は見当たらない。昨日の出来事が夢であったのではないかと思うほどだ。

 結婚、か。

 私がパンをかじったとき、携帯電話が鳴る。発信者を見て、思わず食べていたパンをコーヒーで喉の奥に流し込む。そして、深呼吸をして電話を取った。
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