約束
 その後、仲直りをせずに家に戻り、再び会った祖母は帰らぬ人となっていた。そして、私は同時に自分を責め続けた。

 私が怒ったから、彼女は具合が悪いことを知らせなかったのではないか、と。

「そんなものだと思うよ。人の気持ちなんて時間が経てば変わるから」

 彼は泣いている私を慰めるためにこう言ってくれた。

 自分が大人になったらおばあちゃんに私のことを怒っているか聞いてあげる、と。
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