約束
 三学期になると、三年が学校に出てこなくなるからか、心なしか校舎が閑散としていた。

「ごめんね」

 晴実は申し訳なさそうにそう口にする。

「また明日ね」

 私は笑顔で晴実に別れを告げた。

 今日、木原君は先生に用事があるらしく、遅くなるので早く帰っていいと言われたが待っておくことになったのだ。

晴実は一緒に待っていてくれると残っていたが、先程親からの電話で呼び出されていたのだ。百合は一馬さんと会うらしく、一足早く帰っている。
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