約束
信号が青になり、木原君が「行こうか」と告げる。

 でも、私達の一度途切れた会話はそれで復活することなく、家までお互いほとんど話をしなかった。

 家に入ると、二階まで一緒に行き、各々の部屋に入る。

 私は雨に濡れぐっしょりとした前髪をかきあげると、雨の打ち付けられた窓を眺める。

 私は私服に着替えると、手を洗いリビングによる。

 そこには、彼女はコーヒーを手にチョコレートを食べている姉の姿があった。

 私を見ると、赤いマグカップを口に寄せ、息を吐く。
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