約束
「そうなんだけど、なんか以前とは違うというかさ」

「受験が大変なんだと思うよ」

「まあ、そうだよね。三年になって急に志望校を変更していたからね」

 否応なしに飛び込んでくる会話をから意識を逸らすために出しっぱなしにしていたシャーペンを指先で転がす。

「そろそろ帰ろうか」

 物音が聞こえ、話し声も止む。彼女たちから戸締りを頼まれ、教室内に一人になる。
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