約束
「確かにまずは受験があるからね」

 百合は少し困ったように微笑んだ。

「早めに予約していたほうが安いんだもん。春は日帰りで行って来年の夏休みとかでもいいんだけど。でも、両方でも楽しそうかな」

 晴実らしい言葉に思わず笑みを漏らす。

 受験が終わった後、旅行に行こうと言い出したのは晴実だった。

 アルバイトなどもしていないし、そんなにお金はないということでそんなにお金がかからないプランを立てたいようだ。

 まず考えたのが車だ。でも、私達は当然免許は持っていない。百合の提案で一馬さんに送ってもらったらどうかという話があがっていたのだ。車は百合のお父さんが貸してくれるらしい。

< 442 / 546 >

この作品をシェア

pagetop