約束
「荷物を整理する棚を下見しようと思ったんだけど、スペースとか分からなくて。迷惑だとは思ったけど」


 木原君と買い物をするなんて信じられずにただ彼の言葉をきくだけになっていた。

 そんな私に晴実は「行ってきなよ」と小声で囁く。


「ごめん。忙しかった?」
「そんなことないです。どこに行けばいい?」

 私の声が裏返る。晴実は笑いを堪えているようだった。

「今、どこにいる? 教室にいると、北田に聞いたけど」

 北田さんの名前が出てきて、どきっとする。あの後彼女にどこかで会ったのだろうか。

「そう。でも門の外で待っているよ。うん。じゃあね」

 私は学校から少し離れた場所で待ち合わせをする。

 彼と話をしたいが、学校内だと何かと面倒そうだったからだ。

 私は晴実と一緒に門のところに行く。
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