約束
 玄関を開けると、玄関から光が漏れていた。私達は挨拶だけして、私の部屋に行こうと決める。

 リビングの扉を開け帰ってきたと告げると、両親と姉の動きが止まっていた。

「お久しぶりです」

「木原君を私の部屋にあげるね。ごはんはその後に食べるよ」

 時の止まったリビングからはそれ以上の言葉が聞こえてこなかったため、私達は扉を閉め私の部屋に行くことにした。

 部屋の電気をつけ、木原君を招き入れる。セーターを出すために引き出しをあけた瞬間、私は固まっていた。

「どうかした?」

 私はセーターの上に置きっぱなしになっていたチョコレートを手に取り振り返る。
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