約束
 私が差し出したセーターを木原君が受け取ってくれた。

「もう遅いし、今日は帰るよ」

 私は頷く。

 私は玄関まで彼を送ることにした。部屋を出たとき、姉とばったりと顔を合わせる。

 彼女は私達を交互に見ると、笑顔になる。

「結局、よりが戻ったんだ」

「よりって、というか何で知っているの?」


「見ていたらばればれじゃない。お母さん達も薄々気付いていたと思うよ」
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