約束
 父親はそういうと木原君を客間に連れて行く。二人が出てきたのは二十分ほど後だ。

 どういう話をしたのかは分からないけど、最後は笑顔で出てきていたので、そんなに深刻な話ではなかったんだろう。

 二人を待つ間、お姉ちゃんに文句を言ったら「雅哉君のため」とか意味が分からないことを言っていた。

 両親は木原君が来てくれたのが嬉しかったのか、しきりに泊まっていけばよいと言っていた。だが、木原君はその両親の誘いを断り、一緒に家の外に出る。風は一層冷たくなっている。
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