約束
 晴実が出かけるのは明後日。そのときは百合と一緒に見送りに行く予定だった。野木君も連れてこようかと言うと、晴実は嫌がっていた。

自分が素敵な女性になってから再会したいらしい。でも、百合が言うにはそれは逆効果と言っていた。

彼女がしっかりしたらするほど、晴実は彼の理想から遠ざかっていくから、と。

 彼はどこか抜けている女の子が好きらしい。ということは私はそうなのかと思ったが、あまり考えないことにした。

 晴実にそれを伝えると、彼女は仕方ないと苦笑いを浮かべ、夢に生きるのだと言っていた。それも一つの生き方だと思う。
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