約束
それが真実かは分からないけど、そうであったらいい。木原君と幸せになる。いつその日が来るのかは分からないけど。

 電話が鳴り、発信者を確認する。晴実からのメールだった。家の前に到着したらしい。

 私は引き出しを閉めると、ネックレスをはめ、ジャケットを手に家を出る。家の前には今までに何度か見た車があった。

 運転席には野木君が座り、後部座席には晴実がいる。私は後部座席に乗り込むと晴実を見た。

 彼女は長い髪を後方で後ろに結っている。ワンピースはレースをあしらったもので、彼女にしては珍しいものだった。

珍しいといえば、彼女が化粧をしているのも珍しかった。

もともとはっきりとした顔立ちなのだが、メイクをするとそんな顔がより引き立つ。なので彼女はあまり化粧を好まない。晴実の胸元にはシルバーのアクセサリーが瞬いている。
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