約束
 私が家の車を出してもいいというと、野木君と晴実が嫌がり、野木君が親の車を借りることになったのだ。

 駅につくと私がジャケットをはおい、彼を迎えに行く。

 そして、改札口の前まで行くと、出てくる人の姿を眼で追い、見知った姿を探していた。人ごみの中に背の高い男の人の姿を見つけると、思わず声を漏らす。

 今日は野木君と同様にダークスーツに白のシャツで身を包んでいた。

 見慣れない彼の姿はどこかくすぐったい。
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