約束
「確かに目立つね。俺も敦の家に泊めてもらえばよかった」

 彼は電車の中での出来事を暗示するような言葉をつむぐ。

 彼は今日、実家からやってきたのだ。日帰りができなくもないが、親とも話をしておきたかったんだろう。

「今日は泊まる?」

「その予定」

 木原君は野木君の言葉にそう応える。

 私と野木くんと百合は大学を四年で卒業した。晴実と木原君はそのまま進学した大学の大学院に進んでいた。

 木原君の両親も結婚式に呼ばれてはいたが、少し遅れてに来るらしい。だから彼だけが一足早く来ることになったのだ。
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