約束
 私は首を傾げる。

「熱でもあるの?」

 そう言いかけた私の言葉を妨げる。

「俺が就職してからになるけど君さえよければ結婚しようか」

 そう囁くように告げた言葉が桜のはなびらに乗り、私の手にするブーケに舞い降りた。

 それはまだ不確かな未来の話なのかもしれない。

 でもいつかきっと。

 私は彼の言葉に笑顔で頷いていた。

                 END
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