約束
「だから、この前も由佳を探しているという話を聞いて、木原君をクラスに連れてきたの」


 蘇るのは初めて木原君と話をした日。確かに彼を連れてきたのは晴実だった。確かに言われると納得する。

 そういえばずっと前に晴実に木原君と話をさせてあげようかと言われたことがあった。

もちろん即断ったわけだけど、そこにはそんな理由があったんだと今更ながらに気付く。


「引越しの手伝いくらいはして帰るよ。あまり荷物もないみたいだけど」
「そういえば荷物は?」

 てっきり木原君は両親と一緒に車で来るのだと思っていたのだ。
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