約束
 今まで木原君と面識のあった父親が歓迎するのは分かるが、姉までが歓迎するのは意外だった。

大学生の彼女は、あまり見知らぬ異性の同居に抵抗があるものだと思っていたからだ。

私は木原君でなかったら、嫌だと思うから。


だが、私の気持ちを知っているからこそ、それを受け入れている可能性もある。


私をからかうための新しいネタとして。


「でも、がんばってね。由佳の性格を考えたら、部屋に閉じこもったりしそうだから」

「がんばるけど、多分そうなりそうだね」

 一年私の親友をしてきただけあって、その行動パターンをしっかりと把握している。
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