完璧社長とKISS! ~Police Love Story【番外編】~
「そこで、会った ”安井さん” 覚えていない? 理子」
「・・・安井さん・・・?」
記憶を手繰り寄せてみても、多くの人が出入りし、ほとんどが、ママ目当てな方々ばかりだったから、思いだそうとしても思いだせなかった。
「ママ、ごめんなさい、思いだせない」
「そうね、無理もないわ・・・
その、安井さんが、理子、あなたを気に入ってね、
どうしても、お会いしたいって、お申し出があったのよ
安井さんは、ママのお友達の息子さんでね、
京都でかなり有名なスイーツショップを経営されてる実業家なのよ
身元は確かだから、心配いらないわ」
ママの話を聞きながら、
以前の私なら、たぶん、その申し出にすぐに飛びついていたと思う。
だけど、今は・・・・
「ねぇ、その申し出、どうしてもリコじゃなきゃいけない?」
隣に座るお姉ちゃんは、膝に置いた私の手に片手を乗せママとパパに言った。