エンターテイナーズ
金茶のふわふわの髪に、ブルーグレーの瞳。
透き通る白い肌に、細身だけどしっかりした体。
身長は見上げる程だった。
私が動けずに“レオ”をじっと見つめていると、
彼はふわっと笑った。
「…葉山、伶緒。」
「………へっ?」
「俺の、名前。
………あんたは?」
「あ、はいっ
汐珠季…です」
「あぁ…、汐さんの…
そういうことか」
独特のテンポで話す伶緒は流れを理解したらしく、
ゆっくりとピアノに近づいていく。
「あの、江上さん。
彼はいったい…?」
「あぁ、伶緒もHANDS.のメンバーなんですよ」
そうか。
それでこのスタジオにいて、
伴奏も弾けるわけだ。
「キーボード担当なんですね?」
「え?いえ、伶緒は…」
「じゃ、始めるでぇ珠季ちゃん!」
「あ、はいっ!」
江上さんが何か言い掛けていたけど、馨に呼ばれたから聞けなかった。
何が言いたかったんだろう…?