エンターテイナーズ
「……―うん。よかった」
間隔を置いて、伶緒が呟いた。
「うんうん。俺もこんなん初めてや!
女の子とこないに息合うとは思わんかったわ!」
答えるように、馨が乱れていない息で言った。
あんなに歌ったのに…
肺活量、すごいんだ。
「な、珠季ちゃんもそう思ったやろ!?」
「えっ?――はい、すごく…気持ちよかった、です…」
私の言葉に、馨がうんうんとうなずく。
伶緒の方を見ると…
神々しいほどの笑顔で私を見つめていた。
ドキン
高鳴った胸は、この空気のせいにした。