カニバリズム
初めて彼を認識したのは6月頃だったと思う。
あの日もいつもと同じように考え事をしながら憂鬱に学校に向かっていた。



この世の中は汚い物ばかり溢れている。
一番汚いのは人の心だと思う。

学校の校門前で挨拶を交わす生徒達を見て、つくづくそう思わずにはいられなくなる。

校門でクラスメートが挨拶をしてきた。

正直気色わるい。
雑誌から切り抜いてはっつけたような満面の笑み、だけど心では何を考えているかわからない。
その笑顔の仮面のしたでは人を見下したり、憎悪を隠している。

吐き気がする。

私はそんな人達と一緒でありたくない。
私はその子を振り向きもせずに「おはよ」と短くあいさつをした。

普通ならこんな態度をとっていたら皆から相手にされなくなるところなんだけど、どこをどうしてこうなったんだか私のこういう態度がCOOLでカッコイイと言う人達が出てきて、それが広がり、今ではCOOLビューティと言われて皆の憧れの的なってしまった。
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表紙・目次

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