カリダーデ
たくさんの生徒の中で一人座り込んでいる女の子。


俺はその子に気をとられてしまった。


黙ってこっちを見つめている。



「はじめまして。稀村元和です。このたび2組の担任をすることになりました。担当教科は生物です。」


「質問!彼女居るんですか?それとも一人?」


「彼女はいません。ゴメン。俺、職員会議があるから、また後で質問聞くね。」


今の中学生はこういう事を平気で聞いてくるから怖い。


俺は逃げるようにして、足早に教室を後にした。
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