多目的ルームに住む僕ら
――目的.2――
何か訳があるのは確かで、何か目的があるだろうと、そう思いながらも、俺は敢えて問い詰めなかった。
それは、単にユリが俺の好みだったりするという下心が理由かもしれない。
何故か惹かれた。
声や表情が、懐かしくもあり新鮮さも感じさせる妖艶な光を放っていたからだ。
男心をくすぐる撫で声なのに、どこかぶっきらぼうな話し方。
大きな瞳に筋の通った小さな鼻が印象的で、笑うとその辺の男なんてイチコロな顔を持って、ほとんどが無表情。
もう少し、ユリの事が知りたかった。
ユリなら、何か知ってるのかもしれない。そう思った。
ユリは、何を忘れてしまい、何を思い出そうとしてるのか…
この3ヶ月様々な事を考えながら、ユリと生活を送った。