多目的ルームに住む僕ら



「一人じゃ眠れない。」


と言いながら同じベッドで寝るけど、いつでも俺に背を向けて離れて眠った。


体の一部も、どこにも触れてない感じがした。



昼間に俺が仕事をしている時は何をしているか知らない。



ただ、俺が帰るといつも部屋のベッドに居た。



ひらりとベッドから降りて地に足をつける。


「おかえり。」



ペタペタと裸足で部屋を歩くから、ココに居るんだると確信する。




それくらい、ユリが生きてる心地を実感するのは難しかった。





いきなり、フッと消えてしまいそうな…。



そんな気がした。




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