多目的ルームに住む僕ら



「あんな時間に?」



ペタペタと音がする。


次はバサッと、俺の頭に何かにかぶさった。




「風邪引くよ?」



バスタオルを持ってきてくれたんだな、そこまでするなら濡れた髪を拭いてくれる優しさもあれば可愛いのに。



さすがに口にはしないけど。


俺はガシガシ頭を拭きながらため息をついた。




「ユリ…。」


「電気。暗くてお風呂も入れない。」




「………。」




これ以上聞いたって、きっとユリはまともに答えない。




俺は黙って外にあるブレーカーを戻しに行った。





その日から、またいつもの様にユリは家にいた。




少し変わったのは、俺の方を向いて寝る様になった事。



朝、たまに無意識にユリを抱き締めた状態で目が覚めるけどユリは何も言わない。




気にしてないのか。



俺は毎朝ユリの寝顔を見てどうしようもない衝動と戦っていた。






そして今日に至る。


忘れないで欲しいのは、ユリに手を出していない事。




なんせ俺は、ユリの家政婦でもなければ恋人でもないんだから。


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