Dice
Age 16 : Vo.8 - 送信 -
世間的・常識的に判断するならこれは、もしかすると危険かつ、無謀な行動なのかも知れないと心の中の「私」が私を諭す。


昼以降の授業はノートを写すだけで耳からは何も入ってこなかった。


彼はメールを待っているのか、それとも私がこうしていれば彼はメールをしてくるのだろうか。それともこれを悩むこと自体がいけないことなのか。


こんな話、友人にも相談できない。きっと危ないから止めたほうがいいと言われる。


止めたほうがいいと言われるのを恐がっている。


頭の中の自分が手のひらでサイコロを回し始めた。


これを投げれば答えは出るのだ。


躊躇する。


目を瞑り、決心をした。


私はサイコロを投げ、サイコロは転がりながら止まった。



私はトイレに行くと言い、掃除を抜けた。



屋上へ行き、急ぎながらメールを打った。




「私の通う高校はあなたの近くの高校です。」




送信を押そうとする手が震えていた。


画面が、送信画面に切り替わり、



送信しました。



私の心臓は携帯のヴァイブ以上に震えていた。
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