Dice
Age 16 : Vo.16 - 卑怯者 -
勝司は身体を重ねる快感に溺れるようになった。

彼を可愛がり、私は楽しんだ。

その頃彼の先輩という人を紹介された。

バイト先が同じなんだと言う。勝司とは正反対な雰囲気の人で私は彼に興味を示さないでいた。


ある日、彼の先輩と3人でカラオケに行くと誘われた。特に私は何を感じることなくいた。

「俺トイレ!」

勝司は私たちを置いてトイレに出て行った。

歌を気持ち良さそうに歌っていた先輩がマイクを置いた。


「アイツが君に隠れて悪さしないように、俺が監視してやるよ。」

「うん?」

突然なんだよ?


「だからさ携帯教えといて」

彼は机においていた私の携帯を勝手に弄りはじめた。

「オッケー、俺の後で送るから宜しくな」


強引で無礼な奴。


「スッキリしたぁー」

と言いながら勝司は帰ってきた。


自分の歌いたい歌を選び、子供の様にはしゃぐ。


歌に没頭してる彼を私は見ていた。


ふと携帯が鳴った。


『章吾だ、登録しておいて』

隣にいる先輩からだった。

彼を見るとこちらを見ていた。


私は携帯に章吾を登録した。


子犬は相変わらず何も知らずにマイクと戯れていた。

上手?と聞く彼の耳に私は唇を寄せ噛み付き、


「とっても上手よ」


と囁いた。

勝司は顔を赤らめ下を向いて、もぉーと拗ねている。

クスクスと笑いながら私は章吾を見る。


彼は私に不敵な笑みを送った。


私は負けじと彼を下から上へ舐めるように見た。
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