Dice
Age 16 : Vo.17 - 痺れ -
「俺んちすぐそこ」
私は何も言わずついて歩いた。
少し距離を空けて。勝司に対する罪悪感からか。
目の前に灰色のマンションが見えてきた。
章吾の背中は本当に自信に満ちていた。
エレベーターに乗り、彼の後ろに立った。
エレベーターの扉が閉まった。
5階。
章吾は突然、私の手を握った。
かなり強引に引っ張られ、鞄をエレベーターの扉にぶつけた。
彼は全く気にする様子もなく家の前に連れて行った。
ポケットから鍵を引っ張り出し、鍵を開けた。
「待って」
私は思わず手を振り払う。
「なんだ、ビビってんのか?」
真剣な顔つきで彼はそう言った。
「誰が。」
私は言いようのない躊躇を胸に仕舞い込んで彼を押しやって
家に入った。