フィガロの恋 【ペナルティー作品】
第六章・しゃちほこと単三乾電池
第六章・しゃちほこと単三乾電池
数日後の土曜日。フィガロはスザンナと一緒にいつもの川原で、朝からバーベキューを楽しんでいた。
「おっ、また来た」
ビール片手にウィンナーを頬張っていたフィガロの肩にハトのオルトリンデが舞い降りてきた。
「あら。そのハト、貴方のなの?よくなついてるわね」
スザンナはしいたけをもぐもぐ食べながら、物珍しそうにハトを見た。
「俺の育てた、伝書鳩のオルトリンデだ。手紙を届けてくれたんだよ」
「誰から?」
「それがよく分からないんだ。メルトモというか、顔も名前も知らない伝書友達ってところかな」
得意そうに言うフィガロに、スザンナは少し不服そうな顔で
「まさか女じゃないでしょうね?」
と、意地らしい探りを入れた。
「さあ?相手が男だか女だか、若いのか年寄りなのかも分からないんだ。取り合えず、俺自身はマチコって名前で手紙を書いてるよ」
フィガロは肩をすくめておどけて見せた。
「まあ!」
スザンナはあきれながら、フィガロがオルトリンデの足の手紙入れから丸められた紙筒を取り出し、くるくると開くのを横から覗き込んだ。
数日後の土曜日。フィガロはスザンナと一緒にいつもの川原で、朝からバーベキューを楽しんでいた。
「おっ、また来た」
ビール片手にウィンナーを頬張っていたフィガロの肩にハトのオルトリンデが舞い降りてきた。
「あら。そのハト、貴方のなの?よくなついてるわね」
スザンナはしいたけをもぐもぐ食べながら、物珍しそうにハトを見た。
「俺の育てた、伝書鳩のオルトリンデだ。手紙を届けてくれたんだよ」
「誰から?」
「それがよく分からないんだ。メルトモというか、顔も名前も知らない伝書友達ってところかな」
得意そうに言うフィガロに、スザンナは少し不服そうな顔で
「まさか女じゃないでしょうね?」
と、意地らしい探りを入れた。
「さあ?相手が男だか女だか、若いのか年寄りなのかも分からないんだ。取り合えず、俺自身はマチコって名前で手紙を書いてるよ」
フィガロは肩をすくめておどけて見せた。
「まあ!」
スザンナはあきれながら、フィガロがオルトリンデの足の手紙入れから丸められた紙筒を取り出し、くるくると開くのを横から覗き込んだ。