フィガロの恋 【ペナルティー作品】
「ちょっと待ってくださいコナソさん。八つ橋でどうやって人を殴るのですか」
相田が困惑の声を上げる。コナソは涼しい顔で、
「おそらく何らかの方法でうまいことやったのですよ。犯人はじつに器用な奴に違いない!」
と言い放った。
「バカバカしい。それに、殺人だとなぜわかるんですか。この部屋は鍵が閉められていたのですよ。もしかしたら、川口がひとりでバク転の練習をしていて、誤って頭から落ちたのかもしれないじゃないですか」
相田は自分の推理も十分ばかばかしいことを知りながら、それでもコナソよりは十分現実的だろうと思い言った。しかし、この推理が思わぬコナソの反応を呼んだ。
コナソは膝から崩れ落ちると、頭を抱えて叫んだのだ。
「アーッ!その手があったかーッ!」
エンキドゥは慌ててコナソを抱え起こしながら、
「コナソさん、まだだから。とりあえず、あなたの推理の続きを聞かせてください」
「はぁはぁ・・・そうですよね、あきらめたらそこで試合しゅうりょ・・・」
「いいから推理を」
「では・・・時に相田さん、あなたはどちらのご出身ですか?」

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