フィガロの恋 【ペナルティー作品】

相田は（まさか・・・!?）と不安に駆られながら、コナソの質問に答えた。
「それは・・・京都ですが、それがなにか」
「相田さん、犯人はあなたです！」
「ちょっと待て！そんなでたらめな理由で・・・」
相田の抗議が終わるのを待たず、エンキドゥが「この者を捕らえよ！」と周りの警察官に命令した。床に引き倒され押さえつけられながら、相田はエンキドゥに、
「謀ったな！最初から、俺を犯人にしたてあげるつもりで！川口もお前らが・・・！」
「口を慎みなさい。同期の成功を嫉んでの犯行といったところですか。せっかくわが国がこうして受け入れてあげたのに、愚かな人だ」
「こんなことが許されると思っているのか！」
エンキドゥが「さあ、容疑者を連れて行きなさい」と警官に命令するのと同時、執務室の窓をコツコツと叩く音に人々が振り返った。
エンキドゥが窓を開けると、一匹のハトが部屋に飛び込んできて、川口のデスクの上にとまった。
「ほう、伝書鳩ですか。これは古風な」
エンキドゥはオルトリンデから手紙をとり、それを開いた。
（川口、勝手に一人で送ったのか！バカな事を！）