フィガロの恋 【ペナルティー作品】
相田は絶望的状況に歯ぎしりしながら、エンキドゥの反応を待った。
「これは・・・相田さん、あなたは捨て置けない人だ。さて、これから忙しくなる。相田さん、しばらく拘置所で川口さんとおとなしくしていてください」
エンキドゥは手紙を握り締めると、足早に部屋を出て行こうとした。
「待て、川口は生きているのか!?」
エンキドゥは足を止めると、冷ややかに相田を見下ろしながら、
「あなたの容疑が殺人罪からスパイ罪に切り替わるだけの違いですよ」
と言い残し部屋を出て行った。

イシュタルパレス祈りの間。
卑弥呼は怒気を抑えた陰鬱な表情でエンキドゥの報告を聞いた。
「この手紙に書かれてあるとおり、日本護衛艦隊とアメリカ太平洋艦隊はすでに出撃の準備を整えているそうです。先に沿岸を押さえられたら我々は手も足も出ませんぞ」
「しゃちほこはもう出撃できるか?」
「乾電池がまだ足りなかったのですが、我々の作業を遅延させようと相田が買い占めていた乾電池を押収しましたので、メインエネルギー分はなんとか確保できました」
「では、こうなったら先手必勝じゃ。今夜、日本国に奇襲をかける。目標は東京と大阪。エンキドゥ、午前0時を持って宣戦布告と同時に開戦じゃ」


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