迷える子羊 ~君と僕~
彼女の表情を見ているだけで心が痛い。



彼女の側に寄る。



「大丈夫だよ。



どうせ校長揺すって金盗って帰って行くよ」



「うん………」



でも彼女の表情は曇ったような気がした。



俺の励ましは逆に心配させるのかと焦った。



「何となく嫌な感じがするの…」



「大丈夫。きっと早川先生は無事に戻って来るよ」



「そうだね!!」



その時の彼女の笑顔は



不安を拭うような精一杯の笑顔だった。




< 67 / 137 >

この作品をシェア

pagetop