迷える子羊 ~君と僕~
もちろんみんなの声は静まり、



俺に視線が注がれる。



深呼吸し心を落ち着かせた。



そして思っていたことをすべて吐き出した。



「泣いたり、叫んだりしたって無駄だろ。



今出来ることは早川先生が



無事帰ってくることを祈るだけ。



どうせ犯人達だって目的の金さえ手に入れれば



何もせずにさっさと帰るだろ」



自分でも何を言おうとしているのか



訳が分からなくなった。



でも、その言葉に共感(?)してくれたのか



みんな落ち着きを取り戻し、さっき変わらな



い、同じような雰囲気が流れ始めた。



彼女は少し落ち着いたみたいで



壁にもたれかかっていた。



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