嘘日記〜私の日常〜
穴を下にして持ち上げたら、穴から突然手足が出てきた。

頭の大きさとは不釣り合いな手足。

子供がふざけて、大人用の着ぐるみの頭を被ったような…。

しかし、転がっている時は中身は確かに見えなかった。

驚いて取り落とすと、それはそのまま、坂の下へと駆け出していった。

そして、あっという間に見えなくなった。

私は、呆然と着ぐるみが走り去った方を向いていたが、坂の上で妹が待っているのを思い出し、再び坂道を登りはじめた。


嘘だけど。
< 10 / 14 >

この作品をシェア

pagetop