嘘日記〜私の日常〜
えーと。

(今日って、ハロウィンとかだっけ?)

ハロウィンだからと言って、車内の人全員が仮装しているという偶然は、有るだろうか?

(いや、無いだろう…)

見渡す限り、まともな格好の人が居ない。

車内全ての人が、頭にカボチャの被りものをしていた。

ご丁寧にも。

小さいものから大きいもの。

ツルツルのものからシワシワのもの。

イボイボのもの…など、1つとして同じモノは無かった。

呆然とカボチャ頭を見ていると、内一つと目が合った。

(多分。カボチャ頭に開けられた穴は全て暗くて中身は見えなかったけど、中身が存在すると信じたい)

意を決して、話し掛けてみる。

「すみません、この電車はどこまで行くのですか?」

「まぁ!アナタ知らないで乗ったの?アナタの妹の所に行くに決まってるじゃない」

おばさん(多分)の声が大きすぎて、車両に声が響きわたる。

「ママぁ、あの人行き先知らなかったみたいだよ」

「しっ、指を指してはいけません。目をあわせては駄目ですよ」

(酷い言われようだ…)

ここでは、私はとても非常識なやつらしい。
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