嘘日記〜私の日常〜
壁とスイッチの関係
一戸建てやアパートが密集している、細い道。

人がすれ違うのが、やっとの道。

そんな道の端の、民家のブロック塀に、スイッチがポツンと付いていた。

(なぜこんな所にスイッチが?)

疑問に思いつつ、好奇心を抑え切れず、近寄る私。

そのスイッチは、押し込み式の、押すと『ピコッ』と音がしそうな…。

そう、言わばロボットコメディ定番の、自爆スイッチの様な形だった。

(これ、押したら酷い目に遭うんだろうな〜)

しかし、押してみたい気持ちが、夏の雲のように湧き出す。

(押さなきゃ落ちも着かないし…)

「ポチッとな」

お決まりのセリフを口にし、スイッチを押してみた。

ピコッと、予想と違わぬ音。

ウィ〜ン。

私の膝下辺りから、機械音。

ぴったりくっついていたはずのブロック塀の下の方が、観音開きに口を開ける。

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